こんなときは?
家族を被扶養者にしたいとき

扶養が認定された家族は被扶養者となります

健康保険の「被扶養者」とは、主として被保険者の収入で生計を維持している家族で、健康保険組合の認定を受けた人のことをいいます。保険証が発行され、医療費の支払い等の保険給付を受けることができます。被保険者の保険料で給付の費用を賄うため、被扶養者分の保険料負担はありません。

被扶養者認定の基準

被扶養者になることが出来る人は、

  1. 被保険者本人から見て3親等内の親族であること(同居要件がある続柄は同居が必須)。
  2. 生活費の半分以上を被保険者の収入で生計維持されていること。
  3. 収入が基準額以下であること。年間収入が130万円(60歳以上または障害年金受給 者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であること。
  4. 日本国内に居住していること(国内居住要件)。(2020年4月より)

以上の条件を満たす人となりますが、認定審査にあたっては、被保険者に実際に扶養できる能力があるか、被保険者以外に優先扶養義務者がいないか、継続的な生活費の援助の状況、認定対象者の収入状況、居住状況などから総合的に判断しますので、申請をすれば、無条件に認定されるものではありません。

※上記の条件を満たしても、後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上または65歳以上で一定の障害がある方)に該当する方は、被扶養者にはなれません。

被扶養者と認められる親族の範囲

同居でなくても良い父母・祖父母・配偶者・子・孫・兄弟姉妹以外は、同居が必要条件です。

被扶養者の収入基準

60歳未満の場合:130万円未満

60歳以上の場合(または障害年金受給の場合):180万円未満

健康保険の収入は税法上の定義と異なります

健康保険法上の収入とは、税法上の定義とは異なり、課税・非課税を問わずに継続的または一時的に受け取る現金、現物収入(交通費等)の全てになります。
ただし、奨学金など将来の返済が前提となっているものは、収入から除きます。

被保険者と被扶養者となる人の世帯関係

同居の場合(同一世帯)
被扶養者となる人の年収が被保険者の年収の1/2未満であること

別居の場合
被扶養者となる人の年収が被保険者の年収の1/2未満であること
かつ、被保険者から送金される額が被扶養者となる人の収入以上であること

別居の場合は、仕送り証明が必要です

別居の場合は、毎月継続して仕送りをしている事実を証明する預金通帳や現金書留の控えなどの書類(①誰から誰へ ②いつ ③いくら送金したか がわかるもの)が必要となります。不定期の送金や現金の手渡しは認められません。

同一世帯とは

同一世帯とは、原則的には住民票上の同一世帯で、日頃から家計が同じことを意味します。このため、二世帯住宅などで同一住所に住んでいても収入や支出などを行う家計が別になっている場合や世帯分離をしている場合は、同一世帯として取り扱うことはできません。

被保険者以外に優先扶養義務者がいないかの確認

民法では、夫婦や直径血族および兄弟姉妹の間に扶養の義務があることを定めていま す。このため、被扶養者となる人(申請対象者)に優先的な扶養義務のある人がいる場合は、扶養義務のある人が扶養しなければなりません。
そこで、認定にあたっては、被扶養者となる人の優先扶養義務者の有無や優先扶養義務者の扶養能力の確認のため、収入証明等や被保険者が扶養しなければならない理由を確認します。

申請対象者 優先扶養義務者
配偶者 被保険者
母または父 父または母
兄弟姉妹・孫 両親

夫婦共同扶養の場合

夫婦それぞれに収入があり、子供等を共同で扶養する場合は、原則として年間収入が多い方の被扶養者となります(過去・現在・将来の収入等から今後1年間の収入を比較)。
子供が複数いる場合、父母で分けて扶養することが出来ないため、収入の多い方の親が子供全員を扶養することになります。
ただし、年間収入の差額が収入の多い方の1割未満の場合は、年間収入が同等程度であるとみなし、申請があった被保険者の被扶養者とします。

事業収入等がある場合の被扶養者申請

給与所得者や年金受給者では、経費の控除が認められず収入総額が対象となるのに対して、事業収入等では売上から必要経費を控除することが認められています。被扶養者認定では、公平性を期すため事業収入等で認められる経費をそれなしでは事業が成り立たない必要最低限の「直接的必要経費」に限定しています。
したがって、事業収入等では確定申告における所得金額がそのまま収入となるわけではなく、当健保組合が定めた「直接的必要経費」をもとに、別途計算により収入金額を求めます。被扶養者となる方が、被保険者の支援がなければ生活できない状況にあるのか否か、必要に応じて説明をいただき、事実関係を十分に確認し総合的に判断します。

※事業収入の場合は、収入の変動が大きいことが考えられるため、過去2年間の確定申告の控えを確認し、全てが基準内にあるか確認します。

事業収入等がある場合の被扶養者申請

被扶養者として認定されるには、「日本国内に住所を有する者」であることが必要で す。住所を有するかどうかの判断は、原則として住民票の有無(住民基本台帳に住民登録されているか)によって判断します。
なお、住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明かに日本で居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。

国内居住要件の例外

海外に住んでいても、以下の国内居住要件の例外に該当する場合は、被扶養者になることが出来ますので、確認(証明)書類を提出してください。

例外として認められる事由 確認書類の例(写し)
①外国において留学する学生 ・査証(ビザ)
・学生証
・在学証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
・入学証明書
②外国に赴任する加入者に同行する者 ・査証(ビザ)
・海外赴任辞令
・海外の公的機関が発行する居住証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
③観光、保養またはボランティア活動等、就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 ・査証(ビザ)
・ボランティア派遣機関の証明
・ボランティアの参加同意書
④被保険者が海外赴任中に、出産・婚姻等で身分関係が生じた者であって、上記②と同等と認められる者 ・出生証明書
・婚姻証明書
・戸籍謄本
⑤上記以外で、渡航目的その他の事情を考慮して、日本国内に生活の基礎があると認められる者 厚生労働省に確認し、個別判断

※外国語で作成された書類の場合は、その書類に翻訳者名の署名がされた日本語の翻訳文(全文)を添付してください(部分的な抜粋は不可)

国内居住者であっても被扶養者と認められない場合

医療滞在査証(ビザ)で来日した方、観光・保養を目的としたロングスティビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。

健康保険被扶養者の資格確認調査(検認)

健康保険組合は、被保険者と事業主からの保険収入から支払われる保険給付の適正化をはかるため、厚生労働省の指導に基づき、毎年被扶養者の資格確認調査(検認)を実施しています。
これは、健康保険法施行規則50条に基づき、被扶養者として認定されている方が、引き続きその資格があるか再確認するものです。扶養の異動手続き(削除)を怠っていたことが判明した場合は、事由発生日に遡って被扶養者資格が取り消しとなり、健康保険組合が医療機関等に支払った医療費の返納をお願いすることとなります。